釣りの基礎


釣りの基礎なんてどうでもいいと思われがちです。実際そうかもしれません。しかし、やる以上は釣りたいじゃないですか!!!
たとえ一匹だっていいじゃないですか。自然からのひとしずくにあやかりたいと思う気持ちがあればそれが釣りの基礎です。
釣った魚をどうするかは釣った本人のモラル次第です。
ではどうしたら良い魚が沢山釣れるか?が問題です。

敵を知る
 釣りは魚との勝負で決して人と競う物ではありません。ですからまずは相手の習性を知ることが最低限必要です。狙う魚の習性は図鑑やWebなどで簡単に調べることができますが、実はそんな面倒くさいことをしなくてもそんな物よりもっと詳細に教えてくれる物があります。それは実際に釣りに行って体験することです。もしかしたらその日は一匹も釣れないで帰る羽目に合うかもしれません。それはまだ相手の習性を理解していないのですから仕方がない事です。しかし、その日釣れなかったという知見は得られたわけです。そうしたら次は違うことをやってみます。もしかしたらまた釣れないかもしれません。そうしてあるとき最初の魚が釣れるのです。そうしたら喜んでばかりいないで、今度は釣れた要因を考えます。そして、その通りにやってまた釣れればあなたの考えた要因は正しかったことになります。しかし、釣れなかったらあなたが考えている他の要因があるはずです。こうして相手の習性を知っていくわけです。そうすると図鑑やWebなどには記載されていない習性を知ることも多々あります。そしてそれを知れば知るほど沢山の獲物を得るようになるのです。要は魚に教えてもらう事。これが大切です。

場所を知る
 魚を釣る以上、魚がいる場所で竿を出さなくては釣れません。沢山の魚がいれば沢山釣れる可能性があるわけです。ではどういうところに魚が沢山居るかと言うと、総ての魚全般に言えることですが自然が多い場所です。
 渓流ならばサルやタヌキなどの動物が多く見かけられ、時期になれば虫が沢山飛んでいるような場所が良い場所です。よって、ヘビは嫌だとか虫は嫌いだとか言っていたらいい釣りに恵まれることはないでしょう。ただ、最近は釣れる魚のほとんどが放流魚ですから、放流魚で良ければシーズン始めに雑誌などに各河川の解禁日や放流量が載りますのでそういうものを参考にして行けば比較的自然がない場所でも結構釣れる事があります。もっとも解禁直後の話ですが。
 海の場合は流れ込む川の上流部や、釣る場所周辺の山がしっかりしている場所がいい場所です。要は良い水が流れ込むので良い生態系が出来上がっているのです。また、こういう場所の魚は食べても美味しいです。
 平野部の湖沼や小川の場合は、できるだけ漁協が管理していない所が良いです。漁協は金になれば何でもしますので、生態系をメチャクチャにしています。現に関東周辺では、タナゴが釣れる場所は漁協が管理していない場所だけと言っても過言ではありません。ちなみに関東のタナゴ釣りの聖地とまで言われる霞ヶ浦は淡水にもかかわらず、その広大さから海としての認識ですので漁協は管理していません。ですから釣っていても遊漁料は徴収されません。漁協が管理ていない所で護岸がされていなかったりしたら、そこはきっと美味しい場所です。是非竿を入れてみてください。

食物連鎖
 動物が死ぬと、(死骸を食べる動物がいなければ)それをバクテリアが分解し、分解された養分は植物が吸収します。そしてそのバクテリアを食べる小動物がいて、それをもうちょっと大きな動物が食べて、それをもうちょっと大きな動物が食べて・・・。そしてまた死んで・・・。一方、バクテリアが分解した養分を吸収した植物は、草食動物に食べられ、その動物はもうちょっと大きな動物に食べられ、その動物がまたもうちょっと大きな動物に食べられ・・・。草食動物に食べられなかった植物は寿命をもって枯れて(死んで)、そしてまたバクテリアに分解されて・・・。
 こんなことが生物がこの世に誕生した時からできた動物同士の関係です。これを食物連鎖と呼んでいます。例えば今年はシカが多いとなると、シカの食べ物(植物など)が近年多くなっているわけです。要は餌の量がその場所の生息数を決めているのです。魚の場合もほとんど同じですが、動物と違うのは餌だけではなく、水質や溶存酸素量にも影響されることです。そういうことが解るとより良い釣り場を見つけることが出来ます。
 自然界の動物は(魚に限ったことではないのですが)餌の量に見合うメ一杯の数が生息しているのです。ですから、普通の状態であれば我々が釣って数を減らしたとしても、魚の数に対して餌が余るようになるわけですから、少ない数の魚は餌が沢山食べられるので大きくなります。大きくなると沢山卵を産んで翌年にはまた元通りの数に戻ります。こうして自然界での数は一定を保たれるのです。これは餌だけではなく(先にも書きましたが)水質や溶存酸素量においても一緒です。要は自然環境(餌、水質、溶存酸素量など)が許される最大限の数が生息すると考えて下さい。