毛鉤巻きの道具
まずは道具です。
テンカラは本来は手で鈎を摘んで巻くのですが、フライ・フィッシングではバイスという物で鈎を固定して巻きます。手で巻ければいいのですが、手だとぐらつきますので僕はバイスを使用しています。レンゼッティーというメーカーのマスターバイスという物を使っています。
レンゼッティー・マスターバイス
訳あってちょっと高価な物を購入しましたが、テンカラの毛鉤を巻くだけならもっと安価な物で充分です。テンカラの毛鉤を巻くだけならジョー(鈎を挟む部分)がしっかりしている事だけで合格です。他の注文を付ければ切りがなくなりますが、敢えて言わせてもらえばジョーの先が細くてしっかりつかめる物で、ロータリー機能(ジョーが鈎の軸を変えないで回転する機構)が付いていれば尚更使いやすいです。
購入したときは台座で卓上に置いて使うようになっていますが、これだと太い糸で力を入れて巻くときにはやはりグラつきます。またダビング材などを多く巻くときに、卓上だと糸を垂らす距離が限られるので難しいです。そこで、別売のクランプを購入しました。
ボビンレストなどは使わないので外してます。
これですと、上記のような問題は解決されますし、卓上に置いたよりもジョーが手前に来ますので良く見えますし、細かい作業も楽になります。
その他小物として画像の物が必要になります。左から
@ボビンホルダー
A環となる糸
Bエキスプローラー 千枚通しでも代用できる。
Cラジオペンチ ニッパの方がいい
Dハサミ
Eウィップフィニッシャー
Fハックルプライヤー
このうち、市販の環(アイ)付き鈎(テンカラ用とかフライ・フィッシング用)を使うのであればABCは要りません。僕の場合は毛鉤の動きがハリスで制限されるのが嫌なので自分で環を作ります。
@ボビンホルダー
ボビンホルダーは、画像のようにボビンに巻かれた糸を掴みながら引き出せる物です。糸を通す管にはステンレス製、真鍮製、セラミック製がありますが、これは絶対にセラミック製を使ってください。テンカラの毛鉤は小さいので糸(スレッド)が細いですですから他の材質の物は巻いているうちに切れたり毛羽立ったりしてしまいます。2〜3本の糸で巻いたり、糸の太さを変えたりしますので、その度に変えるのは面倒ですから、いくつか購入しておきましょう。
A環となる糸
昔は鯉の吸い込み糸で作っていました。しかし、この糸は硬いので毛鉤のフレキシブルな動きが阻止されてしまいます。で、何が良いのか?と考えた結果、伝承毛鉤にも使われている絹糸を使うようになりました。見た目にも綺麗ですし、自然素材ですから自然を汚しません。ただ、一度使うと環が潰れてしまうので使い捨てが基本です。僕の場合は釣れたらもうその毛鉤を使う事はない(検証が出来たのですから)ですし、釣れなかったらこれまた即行で交換ですから、これでいいと思いました。
皆様には普通の環付き鈎をお勧めします。何度でも使えますので毛鉤を巻く労力が少なくて済みます。
Bエキスプローラー
環の大きさを決め、環の形を整えるのに使います。環の大きさは使う人の眼の良さによって決まります。目が良い人は爪楊枝でも代用が可能だと思います。
Cラジオペンチ
僕は環付きの鈎を使いません。普通の餌釣りなどで使われる鈎を使うのですが、その際、そういう鈎に付けられているミミが環に角度を付けてしまいます。よってここを切除するために使っています。切るだけですからニッパの方が良いかもしれません。切った後はヤスリを掛けてスムースに丸めておいて下さい。この切り口が鋭利だと環の糸に傷が付く可能性があるので。
Dハサミ
これはとても大切です。先が細くて良く切れる物が良いです。加えてギザ刃だと切るときに糸が逃げなくて使い易いです。いい物を長く使うか、ヒャッキン程度の安物をちょくちょく新調しながら使うかは悩み所です。僕の場合は慣れを重視してちょっと良い物を使っています。もう30年も使っていますが、いまだに良く切れてくれます。
Eウィップフィニッシャー
毛鉤を巻き終えるときに最後に巻いていた糸を結び止める道具です。同様に巻き止める道具としてハーフヒッチャーという物もありますが、逆さ毛鉤などでは使えません。また、巻き止めの強度がウィップフィニッシャーは格段に強く結ぶ事ができます。僕の場合は少しでも川を汚したくないので最後にヘッドセメントを使いません。よって、より強固に絞める必要があるので必ずこれで巻き止めてます。
Fハックルプライヤー
鈎に羽根を巻きつける時に羽根の軸をつかむ物です。羽根の軸をはさむ力が強すぎると切れてしまいますし、弱すぎるとすぐに外れてしまいます。よって、自分の好みに調節できる昔からのタイプがお気に入りです。