普通毛鉤の巻き方


環の付け方は逆さ毛鉤のページを参考にしてください。
普通毛鉤は蓑毛が鈎軸に対して直角に向く毛鉤ですから、羽根の羽根毛の長さと鈎の軸の長さとの対比が難しいです。今回もちょっとアンバランスの毛鉤になってしまいました(蓑毛がちょっと短い)。今回はアジ鈎の6号を使いました。

環を付け、そのまま鈎の湾曲部を超えるまで巻いて下巻きをし、糸にダビング材を巻き絡ませ胴を作る所までは沈み花笠を巻く時と一緒です。羽根の用意をします。今回は僕にしては珍しく高級な羽根を使いました。

 

普通毛鉤を巻くときはこのテの細い羽根が綺麗に巻けます。そしてこのテの羽根は羽根毛が硬く、蓑毛の弱い普通毛鉤には最も適していると思われます。いつもと同じように根元のフワフワした部分(『ウェッブ』と言います)を、軸を少し残して取り省き、巻きたい部分の羽根毛を逆撫でして立てます。


そして、片側を指でむしりとってしまうと綺麗に巻けます。


まだ寝ている羽根毛と片方だけにして逆撫でして立てた羽根毛の隙間を胴が仕上がった鈎に当て、そこを糸で巻いて止めます。


ウェッブを除去したときに残した軸をハックルプライヤーではさんで軸を巻きます。この時巻いた羽根毛を巻き込まないように注意して、なるべく羽根毛が垂直になるようにしながら密に巻いて行きます。そして巻き終えたら3〜4回巻いて仮止めします。


ハックルプライヤーでつかんでいた羽根の軸を切り落とし、環の延長である尻尾を適当な長さで切って完成です。

  
完成です。


巻いていて気が付いたでしょうが、普通毛鉤の蓑毛はただ巻かれて立っているだけです。一方沈み花笠や逆さ毛鉤の蓑毛は糸やボディー材で挟んで固定しています。よって、蓑毛の強度は沈み花笠や逆さ毛鉤には敵いません。