竿には大きく分けて2種類があります。
一つは『和竿』と呼ばれる竹で出来た昔からの伝統が培った技術で作り上げた竿です。
もう一つは最新の技術をもって、新しい素材(カーボンやグラスがほとんど)を使って出来た竿です。
一般的には後者を使うことが多いです。その理由は安価であることが一番です。振り出しの竿が多いので、釣り場に着いてすぐに用意が出来て、使い勝手がとても良いです。欠点としては。そのほとんどが硬調で、調子の良い竿が少ないように思います(勿論良い物もあります)。相手が小さいのでどんな竿でも釣れるのですが、やはり釣った時に水中のタナゴの動きが手に伝わり、尚且つ適度に綺麗なベンディングカーブを描く感じが欲しいものです。
ではなぜ和竿があまり使われないかと言いますと、まずは高価であるということが一番だと思います。一本で何百万円もする竿があるそうです。粋ですね!もしも、こんな竿を手に入れたら、僕だったらまず使えないで飾っておくだけだと思います。
その高価な竹竿ですが、外道で鯉やナマズ、はたまた大きなブルーギルなどが掛かってしまうと、癖がついてしまいます。癖がつくというのは曲がった状態が元に戻らない状態です。素状の良い竹を使って作られた和竿は、癖が付いてもしばらくするとまた真っ直ぐに直ってしまうのですが、すぐすぐではないので、その日は曲がった竿で釣らなければなりません。
また、上記のような大型魚が掛かったら、場合によって折られる事もあります。よって、高価な和竿を使うのをためらってしまう場合が多いようです。
しかしながら、和竿は釣り味や釣趣にあっては他の追従を許さない部分もあります。タナゴ釣りをするという雰囲気を味わう人にはとても大切な道具です。
僕が良く使っている竿を紹介します。
・『巧』
100・120・140・160pの4種類です。
この手の竿にあっては珍しい軟調です。聞いた話では、タナゴ専用竿をコンセプトに作られたそうです。個人的には釣り味の良いこのような軟調の方が好きでが、一般的に渓流釣りの竿を代用しているケースが多いので短竿はそのほとんどが硬調です。釣り味を考えなければ初心者にはチョット硬めの方がタイムラグが少なくて魚を掛ける確立が上がるようです。もち手が小さくて汚れが付きにくくなっているのも気に入っています。
【参考価格】
100cm 4000円
120cm 4200円
140cm 4500円
160cm 4800円
・『華』
90(右)・100(中央)・120(左)pの3種類です。
ネットでオークションで3本で3,990 円で購入した駄竿です。ご多分に漏れず、かなり硬い竿です。メチャクチャ安価な竿です。安価なだけあって調子もイマイチで綺麗な弧を描きません。この手の竿は折れるのが早いです。硬くても手元から理想的なカーブを描く竿が良いと思います。その上、今回の100はすでに曲がっていたのが送られて来ました。これだけ曲がっていれば、気が付いて居ないはずはないので呆れた出品者でした。まぁ、この調子の竿は使う気もないのでお蔵入り。嫌な記憶が残った竿です。
【参考価格】
3本で3,990 円でしたが、上記したように一本は使い物にならないので、もっと割高です。
・Daiwa 小継 『清瀬』硬調 SN(2.1mだけSC)
右から2.1・2.4・2.7mの3種類です。
これも安価な竿です。多分左2本は旧タイプ。右一本が新しいタイプだと思います。これも硬くて理想的なカーブは描きません。調子が悪いので、真ん中の一本(2.4m)は少々手を加えて改造中です。上手くいったら他の長さのも改造するつもりです。穂先はヘラ用のに変えてあるので仕舞えません。でも、いくらかカーブが良くなっています。
【参考価格】
Daiwa 小継『清瀬』硬調 21SC 4,956 円
Daiwa 小継『清瀬』硬調 24SN 4,400 円
Daiwa 小継『清瀬』硬調 27SN 4,700 円
・K・T関東 小粋 125 限定品
軟調とはいいながら結構硬い竿です。手持ちが竹で出来ているのと竿全体が朱色で綺麗だから買いました。店頭で見て衝動買いです。少なくとも『巧』よりは硬いです。ある人から『初心者は合わせ遅れが多いので硬い方が良い』と言われましたので、合わせ遅れ対策に竿先を少々詰めてました。多分120pくらいになっていると思います。そうしたら尚更硬くなってしまって、釣果も変化なし。こちらもお蔵入りになりました。
【参考価格】
記憶が確かであれば\19,000くらいだったと思います。
【スペック】
全長 125cm
仕舞 27cm
・NISSIN たなごころ 7/8/9尺 中調
これは一番気に入っている竿でした。特に5〜7尺は最高です。9尺の競技も最高です。綺麗なベンディングカーブを描きます。軟調と中調があります。僕が購入したのは中調です。中調という中途半端さが何ともいい味を出しています。釣具屋さんに無理を言って、軟調と中調を取り寄せてもらって、どちらか良い方を買うということで、比べたらわずかに軟調は柔らかすぎてタナゴから伝わる動きを殺してしまいそうなので中調にしました。実際使ってみると、誘って良し、掛けて良しの竿です。8尺9尺は少々柔らかい感じがします。一番お勧めしたい竿なのですが、アフターに問題があることが判明したのでお勧めできません。
【参考価格】
13,230円
【スペック】
長さ 7尺 2.15m
継数 12
仕舞 25
自重 30
先径 0.5
元径 10.5
適合ハリス 0.1〜0.5
カーボン含有率 35%
定価 \18,000
★アフターに疑問あり
2007年後期に、僕の不注意から2.1mの先から二番目を折ってしまいました。ウキを動かす時に過度の負担を掛けてしまったのが原因です。
普通ならば2番を買って、入れ替えるだけでよいのですが、この竿は細身故、2番を折るとトップのリリアンが2番を通らないのでどうするのか?と思って思案した挙句、1番と2番を同時購入することにしました。対応は早く、すぐに1番・2番が届きました。しかし、家でつないで見ると2番が3番からあまり出てきません。つまりは2番と3番の重った(二重)部分が多くて、そこだけが曲がらずに、突っ張った感じになってしまい、購入時のような綺麗な弧を描かなくなってしまいました。綺麗な弧を描かないと、曲がりの強い部分に力が集中して折れやすくなってしまいます。しかも、元の折れた2番より1pくらい長いことが判明しました。そこで『きっと間違えて違う竿の部品が来たのだ』と思い、今度は竿ごとメーカーに出しました。
少々時間が経って帰って来ました。前回の件があったので、一応その場で(釣具屋さんで)つないでみたら、今度は1番と2番が同じように重なってしまっていて、その重なり部分が曲がらないので突っ張ってしまいます。少々の突っ張りならば初心者だと見逃してしまうのかもしれません。でも僕のような素人でもわかってしまうくらい突っ張ってしまっているのです。よって、その場で再び修理に出しました。こんな状態のものを持って帰る気がしなかったからです。少なくともプロと呼ばれるお金をもらっている人たちが、そのような物を平気で出して来ることに疑問を感じないわけにはいきませんでした。
NISSINの修理能力の低さも問題ですが、これで良しとしてしまうNISSINのチェック体制の低さが一番の問題です。もしかしたらチェック体制もできてないのかもしれません。
そのような経緯で現在(2007年10月24日)その竿は再びメーカーに行ってます。
いずれにせよ、色々と持っている竿の中で最も気に入っている竿なので、完全に元の状態とまでは言いませんが、ソコソコ綺麗な弧を描く竿に戻ってくれることを期待しています。
修理を終え、帰って来たらまた結果を記載します。
で、11月14日に修理を終えて帰ってきました。とても満足というものではありませんが、もう二度も出しているので諦めました。最初に出したのが10月9日ですので、一ヶ月以上の入院をしていたわけです。3回も出しているのにろくな修理ができないNISSINの修理能力の低さが露呈されました。これには呆れるばかりです。いままでは色々な人にこの竿が良いことをお話していましたが、これからNISSINは辞めた方が良いと言うしかありません。とても残念でなりません。
ちなみに宇崎日新(NISSIN)は渓流やその他の分野の竿もとても優れた製品を販売してます。しかしながらその総てで修理に時間が掛かります。要は製品開発担当の人は優れているのに修理担当の人は技術不足&怠慢というとてもアンバランスな会社なのです。修理担当を総取替えしてもらいたいです。ついでにこういうことを許している社長も。
神技(2.1m 2.4m 2.7m)
お師匠さんが使っていて『安いけど調子が気に入っている』と言っていたので買ってみました。固めの竿ですが、しっかりとりた芯を感じるので大物でも結構我慢してくれそうな頼もしい竿です。あまり綺麗な弧は描きません。上記のDaiwa小継『清瀬』に似た調子です。
【参考価格】¥2000円前後
・NISSIN ACTION テンカラ 1号
長さは多分3.2mです。チョイ遠目のポイントや川でフカセ釣りをするときに使います。テンカラ竿なので、20cmくらいが対象になっているようですので強度は充分。またテンカラ竿ですのでベンディングカーブもとても綺麗です。ずっとテンカラで使っていましたが、タナゴ竿に使ってもなかなか良い竿です。
【参考価格】
古過ぎて不明
・がま 渓流 ハエ 4.4
ハエ竿ですので、柔らか過ぎるくらいの竿です。相手が極小なのでこれも使えます。主に流れの中でのフカセ釣りに使っています。
【参考価格】
古過ぎて不明
Daiwa HS春渓 53 硬調
硬調というほど硬くありません。45‐49‐53とマルチレングスです。これも安かった竿ですが、渓流での出番がなかったので沖合いを探るタナゴ用となった次第です。
【参考価格】
古過ぎて不明
【竿のメンテナンス】
和竿でなければ年に一度くらいで良いと思います。
竿は慣れ親しんでやっと釣り師の右腕になります。困った事にその頃には竿の繊維も切れて腰抜けになっていることが多いのですが、できるだけ良い状態を維持して、釣りに於けるストレスがないようにしましょう。
【掃除】
まずは尻栓を外して分解します。そして水かぬるま湯でざっと洗います。僕は風呂に入るときに一緒に洗います。その後、ざっと雑巾で水分を拭き取ります。竿の内面に入ってしまった水分は下の写真のように、ティッシュで紙縒りを作って番手の低い所の竿で押し出し、水分をティッシュに吸わせてしまいます。
一番細い所は針金のような細い物を使って拭き取ります。(写真はNISSINの『たなごころ』ですが、一番はリリアンが引っ掛かって抜けませんでした。よって、ここは洗うだけです。メンテが悪い竿も良くない竿の分類に入ってしまいます。)このとき、あまりきつくティッシュを突っ込むと割れますので、軽く全面にティッシュが触れる程度の太さに紙縒りを作るのがコツです。
そうしたら一日乾燥させます。人が通らないような場所に立てかけて置くだけでOKです。わざわざ太陽に当てる事もしなくていいです。
【固着対策】
固着は困りますね。タナゴ竿は他の竿に比べてとても繊細なので、固着してしまうと折れやすいです。固着の外し方も色々ありますが、できたら固着させない方が良いです。ここでは固着させないようにその対策を掲載します。
まずは上記の掃除をして、継ぎの部分にカーワックスを掛けてしまいます。カーワックスは固形のものが安くて長持ちします。
表側だけで大丈夫です。
あとはカーワックスの使用法に従って拭き上げして完了です。これをしておくと固着しません。
あまり丁寧に掛けすぎると、滑りやすくなりすぎて、釣っている最中に竿が畳まれてしまいます。各自、適当な按配を探ってください。
これが終わったらまた元通りに組んで完了です。