グルテン餌の使い方

 グルテン餌の何がいいかと言いますと、グルテンが非水溶性で粘り付く性質を持っているので鈎にグルテンが残る事です。つまり餌持ちがいいということです。加えて、グルテンとグルテンの間にあるマッシュみたいな構成物は融けて周辺にバラけるために集魚効果が絶大であり、それがバラケた分付け餌は小さくなってタイリクバラタナゴの口に入りやすいことです。

タイリクバラタナゴ釣りのまさにキモがこの餌付けです。

 グルテン餌は練り餌ですから、硬さは各自が自由に操作できます。硬く作りたければ水を少なくすればいいし、柔らかくしたいのであれば水を多くすればいいだけです。ただ、一旦出来上がってしまったグルテンに水を加えても硬さにムラができるだけで均一に硬さを変える事は難しいです。基本的に浅ダナを釣る時には柔らかく、深ダナを釣る時には硬くが基本です。要は狙ったタナまで餌が落ちて行く時に、途中でマッシュなどの集魚材をばら撒きながら落ちていって、タナに届いた時には丁度グルテンだけが鈎に残っているというのが理想です。よって、その時その場で自分の好みの硬さに練り上げられるように日々訓練して慣れる必要があります。

 基本的には作ったグルテンをそのまま使うのが普通です。


普通練りだとこんな感じ。

でも、グルテンは固まって来てしまうので、こういう風に上手く付けられるのは最初のうちだけです。

僕の場合まずはグルテンの経時的変化を考えて次のようにしています。
 @僕の場合はユルユル練りですので、まず取り出したグルテンを人差し指、中指、親指でギュッと押さえて水抜きをします。


放したらまた水は入っていくのであまり意味はないかも。

 A@を繰り返す事によってだんだんと形が出来るようになってきます。


このくらいでも使うことがあるのですが、今回は風が強かったのでもう少し硬いところを狙いました。

 Bやっと丸められるくらいになりました。


今日はこのくらいで使い始めます。

 Cこれを鈎先で引っ掻くようにして鈎にグルテンを付けます。


ユルユル練りなのでちょっとタレ気味です。

  蛇足ですが、この餌でこんなのが釣れました。


ラッキーっ!

 D時々グルテンが残って帰って来ることがあります。これは大チャンスです。手でこんな小さく、しかも丸く付けるのは不可能ですから。


これなら一発で口に入るので釣れる可能性が高いです。


 Aそれだけではボソボソですが、バラケにいいのでそのまま鈎に大きく付けて狙ったポイントに落とし込みます。これを3〜5回繰り返し魚を寄せます。
 BAで魚が集まれば魚信があったはずですから、その後は鈎先にチョコッとだけ付けて(釣れて来る大きさにもよりますが、直径1mmくらいが基準)勝負に出ます。

これだけのことです。

【グルテン餌の経時的変化】
 グルテン餌は最初に作った状態がずっと続くわけではありません。まず、最初に水と混ぜ合わせた時はドロドロ・ビチャビチャです。で、そのまま放置しておくと、数分である程度固まりだすのですが最初はボソボソです。しばらくその状態は維持するのですが、丁度一時間ほどするとまるで今まで吸っていた水を吐き出すかのように水っぽくなります。そして、それでも放置しておくと練り餌はそのままで表面が乾燥でカチカチになって来ます。最初に小指の頭ほどを手にとって、そちらを使うわけですが、こちらは手から体温が伝わりますので放置したままとは違った変化をして行きます。グルテンは温度が上がると粘り気を出して来ます。よって、最初手に採って持っていると、最初バサバサだったグルテンは、だんだんとしっとりしてきて使いやすくなり、その後グルテン自身が硬くなり過ぎると鈎に付かなくなってしまいます。ですから最初に採る量は多く採らず、小指の頭程度にするのです。要は出来るだけ最良のタイミングを多く取りたいということです。

【鈎付けのコツ】
グルテンの塊に鈎を突っ込んで引っ掻くようにするのですが、これがなかなかいい具合に行きません。最初に寄せに使う大きく付けるときはこれで大丈夫ですが、勝負用の“鈎先に小さく”付けたいときは上手く付けられないでイライラすることさえあります。そんな時は鈎先だけをグルテンに差し込み、そのまま鈎の軸方向に平行移動させるようにします。要は鈎でグルテンを引っ掛けるというより、グルテンをイケの部分で引っ掛けるイメージで付けると小さく付きやすいです。

【蛇足】・・・餌の硬さ
 超硬練りからユルユル練りまで、人の好みは様々です。勿論それはそれでいいのですが、やはりいい硬さというのがあると思うのです。僕が基本的にユルユルを好む理由は、実際にユルユル練りの方が掛かりがいい感じがするからです。僕の場合、グルテンが経時変化で硬くなって来た時に掛かりが悪くなる感じがしますので、そう感じた時には生かしバケツに人差し指を漬けて濡らしてタオルで水量を調節して練りを柔らかくします。すると、また掛かる確立が上がります。こんなことから考えられるのは、硬い餌はフトコロを浅くしてしまうのが原因していると思われます。ユルユル練りに作っても上記の理由で硬くなりますので、釣り始めはユルユルで始めた方がいいと思います。ただ、ユルユル練りといっても限度があります。あくまでも鈎がタナに届くまで外れない範囲で一番柔らかくということです。