タイリクバラタナゴ釣りの餌

 タイリクバラタナゴ釣りの餌としてダントツにいいのがタマムシ(イラガの幼虫)です。これに異論がある人はほぼいないと思います。僕は使ったことはありませんが、これを使ったらどんな人でも簡単に釣れてしまうと聞きます。だから僕は使いません。
 僕が使うのはヘラ釣りで使われる餌のグルテンだけです。グルテンは穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種で繊維ではありません。よく『グルテン繊維』という単語が使われますが、繊維はまったくありません。水に溶けない性質があるのでグルテン間にある物(マッシュ等)が融け落ちてグルテンだけが残るのでそんな風に見えるのかもしれません。いずれにしても、タイリクバラタナゴを釣るにはタマムシを除けばこのグルテン餌が一番だと思っています。

一般的には適正量の水で練って使いますが、僕は水を多く入れてユルユルにして使います。よって、下記のレビューは適正量で使う人には参考にならないかもしれません。ユルユルにして使う理由は、ただただタナゴの口に早く鈎先を入れたいからです。硬練りだとどうしてもそれが邪魔して刺さりが浅くなってしまい、結果的にバラシが多くなる気がします。ユル練りにすることによりそれが防げますし、何よりも餌付けがヘタッピな僕は小さく付けられませんので、水に入れたらすぐにグルテン以外はバラケてしまってもらいたいのです。それがゆえユル練りなのです。ただ、ユル練りは餌もちが良くなくなりますので仕掛けの上げ下げが多くなって面倒ですし、型狙いをする時は先に喰い付いてくる小物が掛かってしまうので不利になります。
 練りという名前ですが、この餌は練ってはいけません。好みの量の水を加えてさっとかき混ぜて総ての粉に水が行ったらそのまま放置します。その時点ではベチャベチャですが、すぐに水を吸って固まって来ます。ですからそのまま他の用意をし終わる頃には出来上がっています。出来上がったグルテンから小指の先程の量を取り出します。あまりにユルユルだったら人差し指と中指の間にグルテンを置いて上から親指で押して水分を押し出します。そしてまだ粘り気がないグルテンを出来るだけ大きく鈎に付けてポイントに落とします。投げ込むとグルテンだけがすっ飛んでいってしまうので、あくまで落とすだけです。これを2〜3回やればタイリクバラタナゴがいればその間に魚信が出ます。要は魚を集めてタナを作るわけです。その間にグルテンは粘りを出してきます。グルテンは温度が上がると粘ってくるのです。そうしたら鈎先に出来るだけ小さく餌を付けるようにします。ここが一番釣れる時です。そしてそれが過ぎるとグルテンは固まってきて鈎に付き辛くなります。こうなったらバラケないので使えない訳ではないのですが折角集めた魚たちが散ってしまいますので使うのを辞めます。そして、また作ったまま置いておいたグルテンを新たに小指の先ほど取り出して・・・これを繰り返します。
 餌は鈎先に小さく付けるのですから使う分もとても少なくてすみます。小さじ一杯の粉でだいたい4時間ほど使えます。僕の場合、ヘラ釣りみたいにドサッと出さずに小さなカップに小さじで軽量して作っています。こんなことですから一袋購入したら相当もちます。

グルテンは使っているとどんどんその性状を変えていきます。段階としては
@粉に水を加えて水が馴染むだけかき回しただけのものはボソボソです。超バラケますので最初の寄せにはこのまま使うのが良いでしょう。
A手で持っていると体温でグルテンがドンドン粘りを出して来ます。
BAを過ぎると粘り過ぎて硬くなってきます。鈎への付着も悪くなり、集魚効果が落ちます。



 僕は経験が少ないので、今まで使ったのは下の二種類です。


モーリス [BASIC]セットグルテン

画像はメーカーHPよりのパクリです。

一番良く使った餌です。そしてとてもいいバラケ具合です。少々グルテンが残り過ぎる感はありますが、なくなってしまうよりはいいです。粉:水が1:1.5が標準のようですが、僕は1:2から1:2.5で使います。1:2.5だと指先で丸める事ができないくらいベチャエベチャですが、少しすると丸められるくらいになって来ます。こうなるとバラケが悪くなるので鈎先に小さく付けなければなりません。このとき流線はその効果をいかんなく発揮してくれます。


Daiwa SILKY MASH GLUTEN2

画像はメーカーHPからのパクリです。

セットグルテンを二袋使ったあと、他の餌はどんな感じなのかを知りたくて釣り具屋さんに聞いたら『タナゴ釣りの人はこればかり購入されます。』と勧められたのがこの餌です。メーカーHPには『ねばりの出にくい絹のような上質な手触りのため、手にこびりつく等の理由でグルテンが嫌いな方でも快適にお使いいただけます。』と書かれています。たしかにもっちりした感じは好感がもてますが、手にこびりつかないというのは鈎へもあまりくっつかないということです。モーリス[BASIC]セットグルテンと比べるとかなり餌落ちが早く感じられるので、グルテンが鈎に残ることも少ないです。また、適正練りだとたしかに手には付き辛いのですが、僕がやるベチャベチャ練りだとこちらの方がより手にくっつきます。固くなるのも早いです。こんなことから皆様にはあまりお勧めしません。ヘラ釣りではどうだか知れませんが、一番大切な鈎への残りを考えると、少なくともタナゴ釣りではモーリス[BASIC]セットグルテンに軍配が上がると思います。

 それではその使用方法について書いてみようと思います。
・グルテン餌の作り方・・・・・
・グルテン餌の使い方・・・・・