タイリクバラタナゴ釣りに使う鈎
タイリクバラタナゴは口が小さいタナゴです。当然それに合った鈎を使う必要があります。というより、タイリクバラタナゴに適合した鈎さえ使っていれば、他はどんなものを使っても釣れると言ってもいいほどです。それほどこの『鈎』に気を使うのがこの釣りだと思って間違いはないと思います。
では、先に総論で述べた鈎の実際を見てみましょう。大きさが判りやすいように方眼紙の上に固定して撮影しました。
現在Gamakatsuの極タナゴは欠品中とのことで写真はありません。
ほとんどの鈎で立ち上がり(鈎軸の湾曲の最下部から鈎先までの長さ)は1mm程度です。別誂研ぎたなご(スレ)だけは1.8mmくらいあります。これはお好きな長さに砥いで使って下さいということでしょうか?それともこのくらいないとバレが頻発するからでしょうか?いずれにしても僕は使う気がしませんので誰か使ってみた方がおられましたらレビューいただけたらここにレビューを加えたいと思います。上記の写真はパッケージから無作為に取り出して撮影しただけのもので、タナゴ鈎の場合はいずれにしても極小がゆえに製品ムラが他の鈎に比べて大きいです。よって上記写真はあくまでも参考程度にしていただきたいと思います。
また、別誂研ぎたなごには二種類があるようです。上の写真から判ると思いますが、かなり形が違います。これは製品ムラではなさそうです。どうしてかっていうとパッケージごとに違うからです。もしも製品ムラであれば1つのパッケージに色々と入っているはずです。でも、パッケージごととなると同じ名前で二種類があるとしか思えません。
タイリクバラタナゴ用の鈎に求められる条件は
@鈎先が口に入り易いこと。
立ち上げが大きいと口に入り辛いので立ち上げ量は少ないこと。
また、フトコロが狭いと大型の場合は軸に当たる(もしくは魚が避ける)のでフトコロの幅はある程度広いこと。
鈎自体の重さが軽いこと。重さがあると動きが悪くなり、鈎の動きの自由度が失われます。
A刺さりが良いこと。
鈎先が鋭利であることは勿論、その鋭利さが保たれなくてはなりません。
釣っているとだんだんと鈎先は鈍ってきます。
鋼材の質、及び砥ぎの技術が影響します。機会砥ぎは焼きナマリを起こすのですぐに鈎先が鈍化してしまいます。
Bバラシが少ないこと。
鈎でバラシに影響するものとしてはイケの大きさ、フトコロの深さ・広さ、鈎の重さ、鈎先の向きなどが挙げられます。
Cすぐに外れる事。
Bのバラシが少ないことと相反します。
例えばバラさないようにするために大きなイケをつけたら、釣れて鈎を外す時に彼らの口に大きな傷をつけることになります。
ほとんどの場合、タイリクバラタナゴはリリースですからこれは大切な事です。
D餌を付けやすいこと。
タイリクバラタナゴの口に入りやすくするためには鈎自体を小さくしてしまえばいいのですが、それだと餌が付け辛いです。
ある程度鈎長が必要です。このことは軽さと相反することも考慮しなくてはなりません。
また、このことはタイリクバラタナゴから鈎を外す時にも有効です。
グルテンなどの繊維性の餌を使う場合
タイリクバラタナゴで使う鈎の特徴は下の画像のように先曲げが鋭角に設定されている事です。
グルテンやタマムシの繊維は赤矢印のように下がって鈎先に向かいます(鈎はくのいちです)。
このことにより餌(特にグルテン繊維)が水中で鈎先に向かって滑り落ち、そこをタナゴが咥える・・・つまりは鈎先を口にする形になっている事です。この形態は上記写真からマルフジの砥ぎたなごの鈎の幅が狭い方が一番顕著です。この形は理論的にはいい感じなのですが、実釣では鈎が真っ直ぐ口の中に入ることは少なく、かえって大型は鈎先が深く刺さらない形ですので小型用の鈎といっても良いと思います。その欠点を補うため大きく腰を曲げて鈎先を口深くに刺さるようにして大型にも対応した鈎の代表が流線です。それと同様に腰曲げの位置を下げて同様な効果を狙ったのが新紅鱗タナゴです。
各鈎の大まかな特徴
それではその各々の特徴を旧HPのように表でまとめてみようと思います。
単価※1 | 糸の結びやすさ※2 | 餌の付けやすさ※3 | 研ぎ易さ※4 | 掛かりの良さ※5 | 材の硬さ※6 | バラシ辛さ※7 | 備考 | |
虹鱗タナゴ | 23.3 | 5 | 4 | 5 | 4 | 5 | 4 | |
新虹鱗タナゴ | 24.2 | 5 | 4 | 5 | 4 | 5 | 5 | |
別誂研ぎたなご(細いタイプ) | 22.0 | 5 | 5 | 4 | 5 | 5 | 3 | |
別誂研ぎたなご(広いタイプ) | 22.0 | 5 | 5 | 5 | 4 | 5 | 5 | |
別誂研ぎたなご くのいち | 22.7 | 5 | 5 | 3 | 4 | 5 | 5 | |
別誂研ぎたなご スレ | 22.7 | 5 | ||||||
一寸タナゴ 三腰 | 19.3 | 5 | ||||||
一寸タナゴ 流線 | 19.3 | 4 | 3 | 5 | 4 | 4 | 5 | |
一寸タナゴ 極小 | 19.3 | 4 | ||||||
一寸タナゴ 新半月 | 19.3 | 5 | ||||||
一寸タナゴ オカメ | 19.3 | 5 | 4 | 5 | 4 | 4 | 5 |
※1 価格は2015年8月頃に僕が購入した時の物ですので、販売店や購入時期によって変わりますので大まかな目安と考えていただけたら幸いです。小数点以下二桁四捨五入。(単位:円)
※2 僕が0.003号のPEラインを手で結んだ時の感覚ですので、機械結びの人や慣れによって感じは異なると思います。
※3 グルテン餌を付ける時の感じです。僕はユルユル練りですが、練り方によっても異なると思います。
※4 完全に個人主観です。
※5 よく砥げた砥ぎ鈎を5とした時の主観です。
※6 鈎先が鈍るスピードです。数字が大きい方が鈍りません。
※7 食い込みの良さということです。アワセた時にギラッとしたり、手感に来たりしただけで釣れなかったものをカウントして数値化しました。
タナゴ鈎の使い方
タナゴ鈎は総て極小ですから普通の鈎に比べて軸も細くて鈎先も鋭利です。鈎先が鋭利ということはとても歓迎できる事なのですが、その欠点としてすぐに鈍ってきてしまうことが上げられます。いかに多く鈎を変えるかが数釣りの秘訣と言っても過言ではありません。しかしながらあんな材料を使っていない小さな鈎な割には高価です。よって、一度きりの使い捨てで釣っていたらもったいないです。そこで、僕は最初は購入したままで使い、掛かりが悪くなったりバラシが多くなって来たりしたら鈎を交換するのですが、その時その悪くなった鈎は捨てずに取っておき、次に普通砥ぎにして使います。そしてそれが駄目になったら今度はその鈎をタナゴ砥ぎにして使います。つまり、一本の鈎を3度使います。ちなみにタナゴ砥ぎの鈎は冬に備えて保管してそれ以外の時期にはほとんど出番がありません。
それでは研ぎ鈎について書いてみます。
研ぎ鈎の詳細へ・・・・・
それでは個々の鈎をみてみましょう。
まずは鈎の各部の名称を見ておいて下さい。
鈎の各部の名称
僕が使った鈎だけですが、それぞれの名称をクリックするとその鈎の詳細ページに行きます。